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このブログは永六輔こそ今いちばん面白いタレントだという認識の下、ただひたすら永六輔についてのみ書き綴る特殊ブログです。
このブログの記事はTBSラジオで土曜午前8:30から放送されているラジオ番組「土曜ワイド永六輔その新世界」の感想文と膨大に存在する永六輔の著作の書評によって主に構成されます。 なお、文中で「先生」という代名詞がインフレを起こしていますが、これはもちろん、永六輔先生を指しています。 カテゴリ
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2005年 05月 11日
冒頭は永六輔が近況報告をする「六輔六日間」のコーナー。
連休中の先生はほとんど外出せず室内の整理などをしていたそうである。そのとき蒸気機関車の音を録音したCDをかけていた。 先生は「蒸気機関車の音は人に優しい、最近は脱線事故に代表されるようにスピード重視でせわしなくなっている」などと時事ネタを絡めつつ現代社会をありきたりに批判してみせる。永六輔はここで蒸気機関車を「古き良き時代」の象徴として祭り上げているが、かつて蒸気機関車がせわしない新時代の代表と見なされた歴史を知らないのだろうか。人に優しいはずの蒸気機関車の音ですら、鉄道黎明期には「機関車の騒音のせいで家畜が子を産まなくなる」といった理由で鉄道反対運動が起こっている。まったくもって自分に都合のいい我田引水ぶりである。なぜか鉄道について異様に詳しい毒蝮三太夫だったら「このジジィ、いい加減なこと言いやがって」と罵倒し倒すのではあるまいか。 なお先生は鉄道ネタとして「アインシュタインによるとこの世に光より速いものはないから、光の先には常に闇がある。新幹線では『ひかり』の先には『のぞみ』があるが、アインシュタイン風に考えると『のぞみ』とは闇である。なんて皮肉なことだろう」という趣旨のことも言っていた。なんだか「ちょっとイイ話」を無理やりでっち上げた感が濃厚である。このいかがわしさを打ち砕くには「アインシュタインによると・・・」というくだりから検証しなくてはならないが、その作業は当ブログの能力では捌ききれぬので割愛する。 しかしまあ、先生は津々浦々の講演でこんなことを言い散らかして、聴衆どもはまんまと言いくるめられているのだと思うと、何だかとてもおかしい。先生は服屋で聴衆は裸の王様。王様たちはそれで満足なのだろうから、子供がしゃしゃり出て「裸だ!裸だ!」と叫ぶのは無粋だね。でもやっぱり王様の全裸は滑稽だから当ブログは叫ぶのである。 同様のことは「六輔びっくり箱」のコーナーでもあった。 本来このコーナーは葉書職人たちの傑作が紹介されるのだが、今回葉書は一切読まれなかった。なぜなら先生が仕事用カバンと物見遊山用カバンを取り違え、この日は物見遊山用カバンでTBSにやってきたからである。肝心の葉書たちは先生の自宅で放置プレイ。その老年性勘違いはともかく、番組を構成する上で重要な材料となる聴取者からの葉書の管理が完全に先生に任されていることに驚いた。先生はTBSの合鍵を勝手に作って持っているような気がする。 いやそんなことはどうでもいい。 問題は代替措置である。 先生は連休中にその物見遊山のカバンを引っ提げて中山千夏と伊東の寺へ行っていたという。その際、木々の緑があまりにも鮮やかだったので色紙に思いつく限りの木偏の漢字を書いたそうな。で、その色紙がカバンの中に入っているので今回はその色紙でワンコーナー引っ張ろうというのだ。食べ残しの弁当も入っているんじゃないか、などという邪推はどうでもいい。先生が色紙の一文字を指し示して外山アナにその漢字を読ませ、それからその字にまつわるウンチクを披露、という形式でコーナーは進んだ。 基本的に先生は博学な知識人である。おまけに話芸の人である。それゆえそのウンチクトークは自分のような新世界の水が合わない人間でも思わず聞きほれてしまう。ただ、聞いていて気になったことが一つあった。 木偏に「無」と書いてブナ。ブナはたくさんあってありふれているからかえって「無い」と見なされた。空気もたくさんあるけど「無い」も同然と見なされているように・・・という話。 ひとたび聞くと「なるほど」と思うが、よく考えると変な話だ。そもそも空気が「無い」と思われるのはたくさんあるからではなくて無色透明だからでしょう。それにネットで見ると、ブナは国字で木材としての価値が低いから「無」の字がついたようだ(参照)。まったくもっていい加減な発言である。あやうく裸にされるところでしたよ、まったく。ああ怖い。 でも当ブログは永先生が虚言を弄して人心を惑わしているとは考えない。すべては「新世界」での話なのである。旧世界の事物と食い違う発言があってもいいじゃないか、新世界だもの。それに裸こそ新世界の制服。これは定説です。コロンブスだって新大陸の住民が裸同然の姿であることに驚いています。
by h_motoda
| 2005-05-11 01:49
| 新世界コンキスタ
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