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このブログは永六輔こそ今いちばん面白いタレントだという認識の下、ただひたすら永六輔についてのみ書き綴る特殊ブログです。
このブログの記事はTBSラジオで土曜午前8:30から放送されているラジオ番組「土曜ワイド永六輔その新世界」の感想文と膨大に存在する永六輔の著作の書評によって主に構成されます。 なお、文中で「先生」という代名詞がインフレを起こしていますが、これはもちろん、永六輔先生を指しています。 カテゴリ
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2005年 11月 20日
桂米朝との親交について語る先生。親交の深さを示す逸話として60年安保の頃に"ざこば"を預かったという話が出る。その頃の"ざこば"はデモ隊に混じって路上で落語をやっていたという。
しかし、先日死去した桂米朝の弟子桂吉朝については一切触れられなかった。高度な政治的配慮か、単に知らないだけか。たぶん「上方落語界なんてどうでもよい」というのが正解だろう。 前回のゲスト伊奈かっぺいを振り返る瞬間があった。 伊奈かっぺいは知恵遅れの子の施設の支援活動をしているそうである。 「知恵遅れ」という単語は放送業界的には完全にアウトだと思うが、何の訂正もなかった。先生はかねてより「痴呆症」を「認知症」と言い換えることに反対していたからTBS当局としてもその意思を尊重したのだろうか。 しかし裏方出身で今は「放送タレント」と名乗って業界人の大御所を自認している人物がこんなことに鈍感でいいのかなと思う。念のため申し添えますが、私は時に「言葉狩り」とも称されるこうした規制に無批判に便乗するつもりはない。ただし聞く側とか当事者に対して配慮することこそが「言葉のマナー」であり、そうしたマナーを大いに尊重するのが永六輔その人ではあるまいか。 まあもっとも昔と今ではこうした感覚に違いがあるのも事実で、私の祖父母なんかは平気で「くろんぼ」とか言うから、戦前生まれの先生も同様なのだろう。また、古い映画やドラマ、アニメには現在ではアウトな表現がしばしば使われている。先生が現役で大活躍していたのはそういう大らかな時代だったから今も鈍感でも仕方ないと言える。 さて、上記の鈍感とは別に意識的な発言もある。 今回のラッキィ池田は料理をする高校生をレポート。野菜などの材料はすべて自分たちで栽培し用意したという。そしてその材料の中に豚肉があったことから、先生は高校生に向かって「その豚肉は豚を肉にするところからやってるの?」と質問。食肉と差別の歴史を知っているからこそ出た質問だろう。他の人間だったら手を出さない部分に敢えて手を出すこの問題意識は永六輔が「文化人」の一人としてカウントされる理由の一つになっているのだろうが、でもその一方で鈍感なのである。この敏感と鈍感の同居こそ先生のトンチンカンの源であり、また魅力の源になっていると思う。
by h_motoda
| 2005-11-20 14:44
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