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このブログは永六輔こそ今いちばん面白いタレントだという認識の下、ただひたすら永六輔についてのみ書き綴る特殊ブログです。
このブログの記事はTBSラジオで土曜午前8:30から放送されているラジオ番組「土曜ワイド永六輔その新世界」の感想文と膨大に存在する永六輔の著作の書評によって主に構成されます。 なお、文中で「先生」という代名詞がインフレを起こしていますが、これはもちろん、永六輔先生を指しています。 カテゴリ
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2006年 07月 31日
先生以外の「新世界」出演者で最も面白い人間はと言えば、それはもう矢崎泰久以外にはありえない。あの、時には太鼓持ち、時には告発者、という変幻自在の立場で先生と番組に延々と絡みつくあの芸風は何物にも代えがたい。
今回その矢崎がやってきた。私にとっては久しぶりである。 冒頭、TBSの「R30」というテレビ番組に出演したことを得意げに語る矢崎。すると先生はそれを見ていたらしく、番組中に登場した先生の写真がまるで遺影のようでこれでは人々に死んだと誤解されると抗議し始める。そしてテレビはそれまで出ていた人が出なくなると死人扱いされる危険なメディアだ、とテレビ批判を展開。思うにこれは正論だろう。ありとあらゆる手段を用いて存在を誇示しようと必死な萩本欽一がその証拠だ。 さて、今日はこのテレビ出演話が中心になるのかなと思っていたら、とんでもない爆弾が炸裂した。矢崎が「永さんは人に対して扱いが違うから」と口にした途端、先生は「人の番組に出て何なんだ!まるで僕が嫌な奴みたいじゃないか!」と激怒したのである。それでも一応その場は収まって、憲法記念日のイベントでの永さんたちのトークが面白かったからそれを活字化して出版しました、みんな立ち読みでもいいから読んでね、といった話をして矢崎は退場。すると先生の怒りは息を吹き返し、「永六輔は相手によって態度が変わるとは何だ!あれだけは許せない!落とし前をつけさせてやる!」と息巻く。 その後コーナーが変わり盆にちなんで先生が故人たちとの思い出を語ることになったが、先生は先ほどの屈辱が忘れられない。まず徳川夢声の話を始めた先生は公刊されている夢声の日記に「永六輔生意気なり」と書かれていることを示す。初期ラジオ界の超大物徳川夢声に対し卑屈にならなかった俺は相手によって態度を変えるような人間ではないと誇示する。 その他の故人たちは以下のようなものであった。 作家で演芸評論家の安藤鶴夫。かつて先生が「浄瑠璃は台詞が何を言っているのかわからない。あれは日本語ではない」と本に書いたら安藤に猛抗議された。チケット入り手紙が来たのでそれを見に行ったら安藤が待ち構えていて隣の席で「ここで泣け」「ここが面白い」といちいち解説されて閉口した。 永井荷風。永井の親族が先生の実家の檀家だった縁で永井に会ったことがあるが、汚い爺さんだった。 三島由紀夫。若いころの先生は三島由紀夫そっくりで三島もそのことを知っており、認めていた。三島は先生のことを「俺の出来の悪い弟」と呼んでいたという。また三島に頼まれて先生は三島のサインの代筆もしていたとも。現在の先生は本人よりも井上ひさしのサインがうまいと豪語。 故人ではないが美輪明宏。天草四郎の生まれ変わりと称する美輪に「あなたの前世は天草四郎の手下だ」と言われたエピソードを紹介しながら「許せません!」と静かに怒る。それとこれは私の聞き違いかもしれないが、美輪は矢崎の前世は「豆たぬき」であると宣告したという。 ところで、新世界における矢崎という人の立場はとても奇妙なもので、ゲストとしての出番が終わってもスタジオかその周辺に居残り、あとでまたぬけぬけと出てくるのである。今回も番組終盤に再登場して「永六輔は相手によって態度が変わる」発言の釈明を始めた。 「私は態度が変わるなんて言っていない。私は人間として一面体だが、永さんは多面体であり人脈が多い。そう言っただけ。それを誤解して怒り狂っている」 またもや問題発言である。うわあ、こりゃこじれるぞ、と私は思ったが、先生はこの問題発言をまったくスルー。やはり矢崎の言うとおり怒りの余り正気を失っていたのだろうか。ともかく、番組後半はコーナーの趣旨そっちのけで「俺は相手によって態度を変えるような人間ではない」という反論ばかりしていて、とても面白かった。「ここでムキになれば面白くなるな」という計算ではなくて、本当に腹を立てているのだから、面白さも倍増である。反骨を売り物にする先生にとっては看過できぬ事態だったのであろう。
by h_motoda
| 2006-07-31 00:01
| 新世界コンキスタ
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